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『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.071━2005.12.20━
《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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〜第71号〜
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数3,919部》
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・請負という仕事
・今週のワンポイント・アドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは。発行者の若本です。
耐震強度偽造問題はさらに拡がりをみせています。
疑惑の当事者も、経営コンサルタントにまで拡がっています。
その一方で、道路公団による橋梁談合の裁判も、
被告のメーカー26社のほか、弁護団を併せて130名近く、
裁判所の法廷に出席したというから、物凄い数です。 (@_@)
両事件とも建設業全体の体質が問われているとも言えそうです。
そこで、今回のメルマガでは建設業の核心、
「請負」という仕事について、身近なところから考えていきます。
それにしても・・・
下請けで構造設計を行なった「偽造の責任」が、
元請の設計事務所に問われていないのが不思議でなりません。
責任を感じたまじめな所長は、自ら命を絶ってしまいました。(-_-;)
確認申請は、これらの設計事務所の「管理建築士」が提出しているでしょう。
下請けの構造計算書を元に、プロとして設計図書を仕上げているのです。
彼らこそが「法令に基づいた図面です」と確認機関に申請するのです。
にも関わらず、参考人質疑どころか、マスコミでも話題になりません。
今回「意匠系」設計事務所の存在感の薄さが、浮き彫りになった気がします。
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確認検査機関の責任はもちろんありますが、
彼らの「設計料」と確認申請料を比べても、責任は小さくないはずです。
彼らは、日常どんな「設計監理」をして、何の責任を取っているのでしょう?
では、今週の本文の始まりです。
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▼請負という仕事 〜仕事を完成まで引き受ける代行業〜
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多くの人は「住宅は買うもの」と考えています。
実際、住宅は「人生最大の買い物」とも言われます。
確かに、マンションや建売住宅は「買い物」です。
販売会社と「売買契約」を結ぶのですから・・・
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しかし、注文住宅は「買い物」ではありません。
なぜなら、施工会社と「請負工事契約」を結ぶからです。
形の無い段階で、希望する家の「完成を請負う」のが施工会社の仕事です。
住宅展示場に行って、ハウスメーカーの営業マンと商談をすると、
メーカーの家を買うという「錯覚」があるかも知れません。
しかし、カタログにあるメーカーの家でも、
あくまで施工業者(メーカー)と「請負工事契約」を結ぶのです。
では、「請負」とはどう理解すればいいのでしょう・・・?
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買い物を頼まれたら?
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まずは、身近なところから考えていきましょう。
例えばあなたが、サークルなど何かの会に参加しているとしましょう。
皆から買い物を頼まれ、買い出しに行くことになりました。
それぞれ、希望は伝えますが、具体的な商品名の指示はありません。
また、個々の商品がいくらの値付けがついているのか正確にはわかりません。
メーカーの違いだけでなく、お店によっても価格が違うからです。
しかし、買い物に行ってもらったお礼に、お釣りはもらえる約束です。
(普通はこんな「おいしい」おつかいはありませんが・・・)
さあ、あなたはまずどうされますか?
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そうです! まずはいくらお金を預かるか確認しますね!?
「皆でバーベキューをするぞ!」という時などは、
参加者1人あたり、いくらぐらい負担するかおおよそ想像がつくでしょう。
金額の目安があれば、買い物を依頼する方が「予算を提示」します。
そうして「出来るだけいいお肉を買ってきてね!」など要望を出します。
どこのお店に行くのか、どんな組み合わせで買うのかは、あなた次第です。
しかも「お釣りをいくら余らせるか」まで、お任せなのです。
▽ ▼ ▽
みんなが驚き、喜ぶ姿を見たくて、
限られた予算なのに、人気のお店をいくつもまわり、
バラエティに富んだ買い物をする人もいるでしょう。
とにかく高級専門店で!と買い揃える人もいるでしょう。
ディスカウントショップをまわり、
質より量を重視した買い物をする人もいるかも知れません。
そして、レシートを要求されなければ、分からないのをいいことに
「あのお金で本当にこれだけ?」という人も・・・ (-_-;)
このように、信頼できる仲間内での買い物も、想定内であっても、
何を、どこで、いくらで買ってくるか任されると、意外と大変です。
でも、基本は「皆のお金」、
決して「自分の儲け」ではありません。
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請負とは・・・
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請負とは、上記のように材料を買ってきたあと、
完成させるまでの報酬を決めて、すべてを引き受ける仕事です。
ここには「自分の儲け」という概念が持ち込まれます。
住宅の場合、依頼する施主側はほとんど詳細の知識はありません。
ただ、「ああしたい」「こうしたい」という希望を伝えるだけです。
金額に関しても、どの程度用意すればいいのかよく分からないところでしょう。
しかも、頼む相手もこれまで縁もゆかりもないところです。
それが、ハウスメーカーや工務店などの住宅会社です。
預けたお金をどこにどれだけ使って、
お釣りがいくら余るのかさえ想像がつかないまま、
「お釣りは取っといて!」とお願いするのに等しいのです。
もし、普段の買い物であれば、レシートを提示してもらうか、
あるいは何をいくらで買って、買い物の交通費や手間賃がいくらか、
買い物を依頼する前に概算をしてもらうでしょう。
これが、「見積書」に相当するものです。
従来は、大工さんや左官さんなど、
日当に相当する手間賃が支払われていました。
材料は施主が手配するか、職人さんに手配してもらうかです。
この頃は、材料コストも日当も施主自身が大まかに把握できていたのです。
素人が自分でするよりも、仕上りも段取りもよく、
早く出来上がるので、プロの職人さんに頼んだのです。
職人さんたちは、特別な営業活動をしなくても仕事の依頼がありました。
使う材料も、地元で手に入り、金額も大体の予測がつきます。
顔の見える地元に住んでいる職人なので、腕前も分かっています。
こんな頃は、まあ任せてもそれほど心配はなかったことでしょう。
建物の出来栄えにしても、工事代金の使途に関しても・・・
わざわざ資材購入のレシート添付も求められません。
▽ ▼ ▽
このような職人たちが手掛けてきた家づくりの仕事を、
完成まで一手に引き受ける商売を始めるところが出てきました。
これが「請負業」と呼ばれる建設業者です。
建築資材を購入し、職人を手配して
完成お引渡しまで会社がすべて責任を持ちます。
一手に任せられるから、安心してお金の段取りだけすればよくなりました。
業者側も基本的に「技術屋」さんで、お金よりも仕事の喜びが優先です。
この頃までは、施主からお預かりしたお金が、
まだ建築資材や職人の手間賃に多く費やされていました。
それが、徐々に変わってきたのは、依頼されるのを待つのではなく、
営業職の人材を採用して、仕事を自ら取っていくようになってからです。
都市化が進み、どこの誰が家を建てようとしているのか分からなくなると、
家を建てようとしている人を見つけるための方法を考え始めます。
それは広告宣伝であったり、モデルハウスであったりします。
立派な本社ビルを建て、営業マンを大量に採用し、
住宅展示場に次々出展していきます。
豪華なカタログや、研究所などもつくっていきます。
施主が実際に購入する資材のコストも、職人の手間賃も、
この頃になると、全く分からなくなりブラックボックス化してきます。
明細が書かれていたとして、実際にいくらの原価なのか・・・
結局、施主から預かった代金の中から、
資材購入費と職人さんたちへの手当てを支払い、
残ったお金で、上記の費用を賄った上で、会社の利益を出すのです。
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このようになってくると、「残ったお金」で賄(まかな)うというよりも、
「賄うお金」を確保した上で、残ったお金で施主の家を建てるのでは?と
疑われるようになってきませんか・・・?
だって、固定経費が膨大に掛かっているわけですから、
自分たちの利益を先に確保しておかなければなりません。また、この経費を
賄うために、さらに新しい見込み客を探す行為にお金を投資していきます。
この莫大な投資が出来る会社がドンドン成長していきました。
投資できるほど、儲けているということです。
本来、施主が「私の家のために使ってね!」と支払うお金が、
本当に資材購入や取付け手間にきちんと回っていればいいのですが・・・
「うちの経費を賄うために、鉄筋量でも減らせ!」
「どうせ、形さえ出来れば素人は分かりやしない!!」
一部かも知れませんが、こんな業者が出てきてもおかしくはありません。
今の家づくりは「請負業者」があまりにも経費を掛けすぎています。
現実に「集客」に投資できる会社ほど、多くのお客さんを集めています。
技術力やいい素材を使っていることは、残念ながら2の次です。
だから、そちらの経費を確保せざるを得ないのです。
それは、広告宣伝やモデルハウス、パンフレットやDMなどの、
「見込み客を探す」ために掛かる販促経費だけではありません。
プラン依頼を受けて、敷地調査や間取りの作成、
見積書の作成などでも、社内外に多くの人材が必要です。
最終的に契約できる確率はどれくらいでしょうか?
プロ野球の打者並みに3割取れれば、かなり優秀な人材でしょう。
しかし、例え「0勝7敗」でも過去の実績を買われ、
1億5千万円の年捧で契約するような球団もあります。
(お金持ちだなぁ・・・)
「契約ゼロ」が続く営業マンでも、給与だけでなく、
設計や見積作成など、お金にならない数多くの業務サポートが必要です。
そんな従業員を社内に何割も抱えていたら、家の方にお金は回るでしょうか!?
多くが社内の経費や外注費に消化されてしまいます。
あなたが個人のお金で、他人に買い物を頼むとき、
このように経費が掛かる人に、内訳も分からずにお任せしますか?
あなたが家づくりを相談する先を選定する際にも、
このような「判断基準」もあることをお忘れなく!
⇒ 次回に続く
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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構造計算書偽造で、元建築士は「相当なコストダウン要求があった」と
先の国会で開かれた証人喚問で答えていました。
相当なプレッシャーを受けたから、偽造をしたという証言です。
(言い訳というべきかもしれません。)
今、どの業界でも取引先や上司などからプレッシャーはあるはずです。
自動車でも軽量化や燃費向上などにしのぎを削っているでしょう。
もちろん、仕入れコストも例外ではありません。
ノートパソコンや液晶テレビなどでも、薄さや軽量化を求め、
デザイナーとエンジニアがぎりぎりの攻防をしていると思います。
プレッシャーが新しい技術開発を促しているともいえるのです。
プレッシャーを掛けている方も、技術革新を期待し、
設計部門や製造部門に強い要求を突き付けているのです。
しかし当然のことながら、「法令遵守」が原則です。
会社としても、多くの研究開発費を投入し、新たな製品が生まれてきます。
当然、「新技術」と「コスト」という相反する課題のクリアも必要です。
難問を解決できれば、大きな自信とヒット商品も期待できるのです。
しかし建設業界という「請負業」は、それが「技術革新」につながらず、
多くは誰かが泣きを見るか、ごまかすという体質に浸かってしまいました。
プレッシャーを掛けられたプロが、自ら従来の壁に挑戦することなく、
下請けに処理させるか、バレないことに期待する・・・ (-_-;)
なぜなら、製品の良し悪しで競争するのではなく、
仕事を受注する「営業力」で競争しているからです。
無理してでも「受注」しなければ、売上も利益もゼロです。
大手ハウスメーカーから、設計事務所まで、全く同じ構造です。
厳しくなるほど、何を優先させているのか想像つくでしょう。
今回の事件は、一企業や一個人の問題というよりも、
まさに「建物の構造」ではなく「業界の構造」問題かも知れません。
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それは、営業力、販売力を持った企業が、
大きな発言力を持つようになった弊害が出て来ているのです。
手抜きや材料のごまかしで「得をした」という発想は、
「技術屋」が「建築を請負う」時代には、考えられなかったでしょう。
(少なくとも、私はそう信じています)
では今週のアドバイスです。
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1.注文住宅は「買うもの」ではなく「発注するもの」
(何をどれだけ、いくらで仕入れるか知る権利が施主にあり!)
2.「請負業」とは、完成させる責任を「負う」企業
(いいものを完成させる喜びを施主と共有できるのが本質!)
3.集客コストが大きい企業は、利益確保が優先される?
(行き過ぎた売上・利益至上主義が、企業の不祥事の根源!?)
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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/window_colum18.htm
↑コラム『ブランド住宅』
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
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【 編|集|後|記 】
請負という仕事について簡単に書こうと思いましたが、
書き終ってみて、どんどん難しくなっているような気がします。
私が書いている内容は、一般的な常識とは反対の見方かも知れません。
しかし、皆さんの業界の常識で私のメルマガを読んで欲しいと思います。
きっと、住宅業界の不思議さと、自らの常識の矛盾に気づくはずです。
少しでも多くの人が、住宅取得で本当の幸せを手に入れていただきたいと
切に願い、今年のメルマガは最終回となりました。
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ではまた、来年お会いしましょう♪
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